フォルクスワーゲンOBDスキャナーに投資する価値はあるのか、また、どのような情報やメリットがあるのか？フォルクスワーゲンOBDスキャナーは、専門知識があまりない人でも使えるのでしょうか？ フォルクスワーゲン OBD スキャナーを購入すべきかどうかの判断にも迫られているのなら、また、どのディバイスがベストなのか見極めなければならないあなたのために、良い購買判断をできるための情報をこの記事でお伝えしたいと思います！
フォルクスワーゲンのOBDとは？
フォルクスワーゲンは、1960年代には故障診断用コネクターを車に搭載できるようにしました。しかし、これは主に認定された整備場の整備士が不具合のある車両を迅速かつ効率的に診断することを目的としたものでした。 そして、この診断方法はあまりうまくいきませんでした。というのも、パンチテープ（紙テープ）を使った診断装置が使われていたためです。
現代式の車載式故障診断（On-board diagnostics）はアメリカで1980年代に誕生しました。当時、カリフォルニアの主要都市では深刻な大気汚染問題が発生し、カリフォルニア州大気資源局(Air Resources Board)は新たなガス排出基準の策定を迫られていました。しかし、当局の課題として、車両の耐用年数の全体にかけてガイドラインを保証・検証させることが挙げられました。そこで初めて、自動車に搭載された排ガス浄化装置の部品を自動車自身で常時チェックできるOBD（On-Board Diagnostics）が最初に開発されました。また、外部からの接続を可能にするため、排気システムの状態を外付けの読み取り装置で読み取ることができる故障診断用コネクターが開発されました。 OBD1規格は1987年にカリフォルニア州環境保護局(California EPA)によって導入され、その年以降のすべての新車に適合させることが義務づけられました。
そのため、海外の自動車メーカーがカリフォルニア州で製品を販売する場合、1987年モデル以降の車両にはオンボード・ダイアグノスティックス（車載式故障診断）を取り入れる必要がありました。多くの国際的な自動車メーカーにとって、カリフォルニアの市場のためだけにOBD適応車を生産するというのは現実的ではなかったため、この年からカリフォルニア州市場だけでなく、欧米市場も含めた国際市場向けに開発されたすべての新車にOBD1規格を採用し始めました。
フォルクスワーゲンOBD規格とエンジン警告灯
OBDのもう一つの重要な要素は、エンジン警告灯です。 エラーメッセージをドライバーに知らせることは、すでに最初の規格で規定されており、車両のコックピット内にエンジンブロックの形で黄色またはオレンジ色で表示されるものです。どのタイプのエラーメッセージの表示かによって、エンジン警告灯の以下の警告が表示されます。
1. 警告灯の継続的な点灯
排気システムの故障が検出、また確認がされたことを示します。この際、車両の使用はまだ可能です。
2. 警告灯の点滅
重大な間接的損害を引き起こす可能性のある故障を示します。 すると、ほとんどの自動車メーカーは緊急プログラムを開始し、車両の速度と性能を制限することができます。 警告灯が点滅している車両は、できるだけ早くスイッチを切る必要があります。 この場合、早急に該当するエラーを修正する必要があります。 さもないと、重大な派生的損害が発生する可能性があります。
3. 警告灯の一度の点滅→後に消灯
OBDがエラーを検出したが、次の測定サイクルで検出できなかった。 車両は使用 可能ですが、警告灯が点灯し続けることに注意が必要です。
なお、警告灯が点灯していない場合にもエラーメッセージが表示されることがあります。 これらの不具合は、主に排ガス浄化には関係なく、通常、各車両の運転にわずかな影響しか及ぼさない。
フォルクスワーゲンOBD2
1996年、米国ではOBD1規格がOBD2規格に置き換わりました。 その背景には、近年の技術革新により、自動車技術にエレクトロニクスがどんどん採用されてきたことがある。 初期にはエンジン制御に電子制御ユニットだけが使われていたが、1990年代には、電子制御ユニットによって多くの新しい安全機能が実現された。
コントロールユニットは、センサーでデータを正確に読み取り、アルゴリズムで評価し、アクションを起こすことができるという利点があります。 これにより、エンジン温度、油圧、外気温、車速などさまざまなデータを評価し、アンチロックブレーキシステムやアンチスリップシステムなどの安全機能に活用することができます。 電子制御ユニットで快適性を追求することも可能です。 オートマチックエアコンもその代表的なものです。 現在の自動車には、最大で100個のコントロールユニットが使用されています。
OBD1がOBD2に置き換わった理由のひとつに、電子制御ユニットがあります。 最新のコントロールユニットには、基本的に2つの利点があります。 一方では、通信ネットワークを介して互いにデータを交換し、他方では、車載診断にも使用できるエラーメッセージを生成する機能を備えています。
OBDの最初のバージョンでも、エラーメッセージは使われていました。 DTC（Data Trouble Code）に定義されています。 これは5桁のコードで、詳しくは後述します。 故障コードはOBD2規格で使用することができ、車の状態を詳細に把握することができます。 コントロールユニットでは、車載診断で車内のほぼすべての機能を常時チェックでき、問題が発生した場合はエラーメッセージが表示されます。
OBD規格は1996年に米国で導入され、欧州でも2001年からEOBDとして 自動車メーカーに義務付けられています。 この規格は、車両診断の調和に加え、排出ガスの監視を確実にすることを目的としています。
フォルクスワーゲンOBDの仕組み
車載診断装置は、主に排気系をチェックするために開発されました。 しかし、現代の自動車では、現在のすべてのデータおよびコントロールユニットを照会するために使用することができます。 最初のOBDバージョンが開発されて以来、16ピンのフォルクスワーゲンOBDコネクターが指定されています。 これは、適切なフォルクスワーゲンOBD読み出し装置によって電子システムを照会することを可能にします。 自動車の最新の制御ユニットはすべて通信バスで 接続されているため、フォルクスワーゲンOBDスキャナーで多くの情報やデータを読み出すことができます。
しかし、車載診断の最も重要な情報は、やはりランバダ・プローブの機能と触媒コンバーターの効率である。 さらに、エンジンに燃焼不良が発生していないかを常にチェックしています。 また、排気ガス再循環システムや二次空気システムが搭載されている場合は、これらが正常に作動するかどうかも常にチェックされます。
いずれかの制御装置でエラーが発生した場合、または不正なデータが検出された場合、最初の発生時にデバウンスカウンタに格納されます。 次のテストサイクルで再びエラーが発生した場合のみ、エラーメモリにエントリが作成されます。 一定時間内に該当するエラーが再び発生しなかった場合、デバウンスカウンタのエントリは削除されます。 どのエラーが発生したかに応じて、ダッシュボード内の警告灯も作動します。
フォルクスワーゲンOBDスキャナーは、排気系の強制検査だけでなく、他の車両部品の診断にも使用することができます。 すべてのECUが接続されているため、これらのECUからすべての情報にアクセスし、車両を診断することも可能です。 特に、すべてのセンサーの値を読み出すことができ、コンポーネントの個別診断が可能で、完全なシステム診断を実施することができます。
フォルクスワーゲンのOBDフォルトコード
最初のOBD規格が施行されて以来、故障コードはDTC（Data Trouble Code）で定義されるようになりました。 各エラーコードは5桁の数字で構成され、発生したエラーと、そのエラーの原因となったコンポーネントを正確に記述する必要があります。 DTCの誕生以来、自動車メーカーには独自のフォルトコードを使用するオプションが与えられている。 エラーコードの内訳は、以下の通りです。
Data Trouble Codeの頭文字をとったものです。
- P – パワートレイン – ドライブトレイン
- C – シャーシ – シャーシ
- B – Body – ボディワーク
- U – ユーザーネットワーク – 通信ネットワーク
その後に、一般的なエラー（0）かメーカー固有のエラー（1）かを示すコードが表示されます。
3桁目はDTCでコードの1桁目に対してサブファミリーを指定するために使用されます。 その際、文字や数字も適用できる。 以下はその例です。
- 0, 1, 2 – 空気または燃料計量制御
- 3 – イグニッションシステム
- 4 – 排出ガス規制の追加
- 5 – エンジンランコントロール
- 6 – オンボードコンピュータ
- 7, 8, 9, – ギアボックスコントロール
- A, B, C – ハイブリッドドライブ
一方、DTCには11,000以上のエラーコードが定義されています。 欧州では、SAE、J2012、ISO 15031-6などの規格が 利用されています。 フォルクスワーゲンOBDスキャナでフォルトメッセージを読み取ることができることを保証するため、個々のフォルトコードの定義は非常に重要です。
フォルクスワーゲンOBDと各読み出しモード
最初のOBDが開発されて以来、フォルクスワーゲン OBDスキャナでデータを読み取り、操作するために様々なモードが使用できました。 車両の製造年により、個々のオプションが使用されていない場合があります。 しかし、若いクルマはすべてのモードに対応する傾向があります。
モード1
フォルクスワーゲンOBDの最初のモードは、いくつかのセンサーの値を読み出す可能性を提供します。 などが挙げられます。
各車両では、センサーからのデータをPID（Parameter Identifier）で識別している。 フォルクスワーゲンOBDスキャナで読み出す場合、そのデータは常に正しいセンサーに割り当てることができます。 PIDは標準化されており、フォルクスワーゲンOBDスキャナで車両の値を読み出し、診断に使用する可能性を提供します。
モード2
車両にエラーメッセージが登録された場合、他のコントロールユニットのデータもすべて保存されます。 このフリーズしたデータは
の故障診断が非常に役に立ちます。 エラーや問題が最初に記録された時点のセンサーデータの正確なスナップショットが作成されます。 これにより、エラーの原因を絞り込むことができます。
モード3
このモードは、実際の故障コードを読み取ることができるように開発されたものです。 これらはほとんど標準化されているため、どのフォルクスワーゲンOBDスキャナーでも解釈 することができます。 しかし、車両メーカーによって定義されているいくつかの故障コードがあるため、フォルクスワーゲンOBDスキャナを選択する際には、正確な車両タイプに注意を払う必要があります。 エラーコードは、基本的に4つのグループに分けられます。
– P0xxx: ドライブシステムのエラーメッセージ
– C0xxx：シャーシコンポーネントのエラーメッセージ
– B0xxx：ボディ領域に関するエラーメッセージ
– U0xxx：通信ネットワークでのエラーメッセージ
モード4
このモードでは、各種制御装置のエラーをクリアすることができます。 該当する故障コードが解除されたら、エンジンコントロールランプも消灯してください。 ただし、以下の場合は知っておく必要があります。
不具合のフォルトコードがクリアされても、まだ改善されていない場合、OBDはすぐにまた新しいフォルトコードを生成し、エンジン誤動作ランプを作動させる原因ともなり得ます。
モード5
車載診断の情報をすべて読み出すためのモードです。 このモードは、CANバスを持たない車両でのみ利用可能で、車両エレクトロニクスのすべての保存データをダウンロードすることが可能です。
モード6
モード5と同じ機能を果たすが、CANバス搭載車向けのモード。
モード7
このモードは、デバウンスメモリのデータを読み出すことができるように開発されました。 適切なフォルクスワーゲンOBDスキャナーは、一度だけ発生し、その後のテストサイクルでは検出できなかった故障を読み取るために使用することができます。 このモードは、修理後の車両を確認する場合に使用することができます。
モード8
他のシステムで実施したOBDの結果を出力するためのモードです。 このモードは、ヨーロッパ製の車ではほとんど使われていません。
モード9
このモードは、フォルクスワーゲン社のOBDスキャナーで車種別データを取り出せるように開発されたものです。 ここでは、例えば
車両識別番号とメーカー依存のキャリブレーション値が格納されている。
モード10
このモードは、フォルクスワーゲンOBDスキャナで永久エラーメッセージを 読み取るために開発されました。 パーマネントエラーコードは、エラーの原因が取り除かれていない場合、他のモードでは削除できません。 OBDでは、これらの故障は、指定されたテストサイクル数で故障が検出されなくなった場合にのみクリアすることができます。
OBD診断コネクターはどこにある？
OBD規格では、OBD診断コネクターは 助手席から1m以内に設置することが規定されています。 フォルクスワーゲンは、OBD診断コネクターに常にピンク色を使用しています。 通常、ステアリングホイールと運転席のドアの間、ダッシュボードの下半分に位置します。 これはフォルクスワーゲン OBDの故障診断機が有効で、素早い診断をするために迅速に接続できることを保障します。
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